Collaboration vol.20

来週の成人を祝う会の準備が進んでいます。
当日何を話そうかと考えていたとき(北川が考え事をするのはいつも車の中と風呂の中です・・・笑)、ふと思いだしたものがあります。会を迎える前に職員チームで共有したいモノです。
ひとつは4年前のものです。「あっ、いぶきで働いててよかったな」となんとなく嬉しく感じたことを思い出します。しまいこんでしまうには、あまりにもったいないので、ここに載せます。こういうことも、伝え継いでいくことって大切ですね。
成人を祝う会は、ここでいちばん重みのある大切な場だと思います。みんなで心して迎えましょう。
「大人になっておめでとう」
                        いぶきりじちょう よこやまふみお
 大人になるってなんやろか 
 昨日よりちょっとだけ足が太くなることや
 お父さんやお母さんと離れて、
 自分の足で歩き出そうとすることや
 大人になるってなんやろか
 昨日よりちょっとだけ手が大きくなることや
 自分ができることを見つけてその手で作り始めることや
 大人になるってなんやろか
 昨日よりちょっとだけ心が深くなることや
 いぶきの仲間と一緒に、笑ったり、怒ったり、泣くことや
 大人になっておめでとう
 甘えにくくなって残念でした
 大人になっても昨日の自分と何にも変わらへんけど、
 それでもちょっとだけはかわろうか
 無理をせんでもええけど、
 足も手も心も昨日よりちょっとだけ大きくなろか
 大人になって本当におめでとう
***************************************************************************
こういう機会に、あえて、ふたつ並べて共有したいものがもうひとつあります。
北川が出会ったのは今年の紅白歌合戦を見ていてのこと。静かな感動を覚えて、あわてて題と作家をメモしました。紅白をご覧になっていた方はわかると思いますが、吉永小百合さんが朗読された詩のひとつですね。
「うましめんかな」
                      栗原貞子
 こわれたビルディングの地下室の夜だった
 原子爆弾の負傷者たちは
 ローソク一本ない暗い地下室を
 うずめていっぱいだった
 生ぐさい血の臭い 死臭
 汗くさい人いきれ うめきごえ
 その中から不思議な声がきこえてきた
 「赤ん坊が生まれる」と言うのだ
 この地獄の底のような地下室で
 今、若い女が産気づいているのだ。
 マッチ1本ないくらがりで
 どうしたらいいのだろう
 人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
 と「私が産婆です、私が生ませましょう」
 と言ったのは
 さっきまでうめいていた重傷者だ。
 かくてくらがりの地獄の底で
 新しい生命は生まれた
 かくてあかつきを待たずに産婆は
 血まみれのまま死んだ。
 生ましめんかな
 生ましめんかな
 己が命たつとも
栗原さんは、有名な詩人とのこと。恥ずかしながら北川は知りませんでした。ご自身の実体験をもとになっています。去年の5月に他界されています。
 以下はあるブログからの転載です。
~ 詩に登場する赤ちゃんは現在60歳(もちろんですね)。今は、広島市南区で息子さんと居酒屋さんを切り盛りされています。これまで、あまりにも有名な詩の登場人物としてうまれた自分の人生がとてもとても背負えるものでないと感じていらしゃいました。
 「どうか静かにさせてほしい・・・」と普通の人生を望まれていました。
 しかし、作者の故栗原貞子さん、原爆詩の朗読をしている吉永小百合さんや、周りの方々に「あなたはあなたにしかできないことがある」といわれ、60歳を機に、平和のために立ち上がろうと決心をしたそうです。 ~
この号は、メッセージのみになりました。
ゆっくり読んでみてください。