Collaboration vol.19

 今、来年度に向けて、第二いぶきとコラボいぶきをどうしていったらいいか頭を悩ませる毎日です。
 そこで大切にしていこうと思っていることがあります。それはその中身ではなく、進め方について。一言で言うと「組織の中の情報公開=閉鎖性の打破」ということ。今こういう風に考えているんだということを、どんどん示していくことが改めて大切なのだと思っています。
 いぶきは法人開設以来、「民主的な施設運営」をその理念のひとつに掲げてきました。もっとも、感じている方もおられるかもしれませんが、北川自身は「民主的」という言葉を使うことはあまりありません。その言葉が表面的に、決め言葉的に安易に使われることが好きではないからです。じゃあ、本来しなければならない「民主的ってこういうことだと思うんだ」という議論をすすめてきたかというと、それもしてきませんでした。だから大切な柱を職員チームの間で確認してこれていなかったのだと反省しています。
 組織がどんどん大きくなって、みんなで話し合って決めていくことが難しくなったり(みんなで集まること自体が難しくなったりしますね)、収拾がつかなくなることを懸念したり、時には意見を聞いてしまうとそれに対してNOということが多くなってしまうからという勝手な論理を通してみたり・・・、しっかり議論するためには、そのひとつひとつについてしっかりした基本的な理解をしてもらう必要があり、それができていないから議論もできなくて、だからトップダウンしかないよね・・・という、怠慢を伴ったこれまた勝手な理屈で進めてしまうこともあったかと思います。その結果、チームの間に、意見を言っても仕方ないという無意味感や、わからないし教えてももらえないから何を言っていいかもわからないという思い、また、変なことをいったらかえって理解の浅さを指摘されたり、あなたにはいえないもっと深い(と思っている)レベルの理由があるんだという雰囲気で傷つけられたりするのなら、いっそ言わないほうがいいといった思いが広がっていくことになります。チームの中や個人に一度広がってしまったこういう思いはなかなか修復できることではありません。きっと何倍もの時間をかけて、痛みを伴いながら作り直していくことになるのでしょう。
 もちろん、場合によってはあえてトップダウンの手法とることはこれからもあるとは思います。また、個人の評価やプライバシーにかかることや、今後の進めていく上で今はタイミングが適当ではないようなこと(例えば憶測がおよぶことで法人や施設に大きな不利益が生じる可能性があるようなこと)については部外秘扱いをすることもあるとは思います。ですが、理事会や運営委員会で議論されたことでも、伝えられることが、そのうちのみんなに関係がある(と勝手に判断した)ものだけであったり、重大なことではないけれども隠すようなことでもないことが十分に伝えられていなかったりすることは避けなければならないと思っています。当たり前のことなんですけどね。このCollaborationに、【各種会議からの報告】欄を作ったのは、浅くでも網羅した形でとりあえずいろいろなことを伝えていければとの思いからでした。
伝えていくのは、所長である北川の大切な仕事ですし、それが組織的に伝達されていくことも主任や作業室責任者をはじめ、個々の大切な役割で。今一度その再確認をしていかなければならないと思っています。それをなくして、いくらチームの結束を叫んだところでかなうはずがないことですもんね。
 長文になって恐縮です。来年度にむけた資料を1枚添付するにあたって北川の気持ちを記しました。