Collaboration vol.28

1年前の5月22日は日曜日。夕刻、自宅の電話が鳴りました。纐纈君から入った
電話。外は細かい雨が降っていました。比べるものではないけれども、事故ではなくて、こんなに不意に最後を迎えることがあるのだろうかというほど突然に、塚原さんは他界されました。あわてて駆けつけたご自宅の奥の間に本当に眠るような顔で布団に横たわる彼に、北川はかける言葉もなく、纐纈君は、前日一緒にコラボの湯に入った彼の目を見つめつづけながら静かに語りつづけていました。
 翌日、こじんまりとした火葬場の煙突から立ち上る煙が、青い空に吸い込まれていくように消えていくのを見つめながら、人はこうやって空に帰っていくんだなぁということを、これまでになく実感したその映像が頭の中に焼きついています。
 折りしもそれから1年。今月23日には、自立支援法の自己負担金の初めての口座振替日です。この日から、痛みがはじめて痛みとして実感されることになります。(振替ができたかどうかは、銀行のシステム上29日になるまで法人ではわかりません)どんなに小さな存在でも大切にしていくからこそ生まれる痛み。かたや、弱い立場にむけられた刃による痛み。いろいろな心の痛みがあるけれども、塚原さんのことを思うような痛みの方が僕たちの性に合うような気がします。でも、どんな痛みであれ、その心の叫びをしっかりと聞き、今はしんどくても、そこから抜け出すためのエネルギーにしていきたいと思っています。ひとりひとりが、このままなぎ倒されるわけにはいかないことをお互い確認しあいながら進みましょう。(5月号通信に同様の文章を掲載する予定です。)