35≫ ひとりひとりの物語を

はやくも2月になってしまいました。
 1月30日(水)に希望ヶ丘特別支援学校のPTAの方々16名が見学に来られましたのはご存じのとおり。帰り際、いつものごとくたくみの皆さんでケーキを販売していると、おひとりの方が、「・・・・・・三鴨さんですよね!」と声をかけられました。よくよくお話を伺うと、昔、長良の縫製会社で三鴨さんと一緒に働いていたとのこと。当時の様子を少し聞かせてもらうことができました。プライバシーもあるのでここに詳しくは書きませんが、その時のことは私たちも知りたくても確かめることができなかった「空白の期間」。なんという偶然かと驚いてしまいました。「私が高校生の時の話・・・」らしいのですが、それでも三鴨さんは昔と少しも変わっていなくて、すぐわかったそうです。肝心の三鴨さんは、いつもと変わらぬ表情。でも、北川が気付かなかっただけで、実はその方を見ながら、耳はしっかり聞いていたかもしれません。
 そんな偶然もさることながら、実は、北川が一番うれしかったことは、その方が「ホントに久しぶりに会えて嬉しい。今日来てよかったぁ」と笑顔でしみじみと話されたこと。当時、直接お話しされるようなことはなかったみたいですが、今でもそんな言葉をかけてくれる人がいて、三鴨さんよかったねと思った次第です。
 第二いぶきでも、退職した職員や、ボランティアで昔来てくれた方たちが、仲間たちに会いにきてくれることがあります。その時にも、仲間ひとりひとりについて、「会えてよかった」という気持ちをもっていてくれますよね。とかく、北川自身は、仲間ひとりひとりとともに・・・というよりも、「いぶき」を支えてほしいという伝え方をすることが多くなりがちです。職員も親さん方も含めてみんなを・・・という気持ちが強くなってしまうのも正直なところです。でも、やっぱり、根本は、仲間一人ひとりについて、そういう出会いや、できごとを丁寧に積み重ねて、「人生ものがたり」のページを増やしていくことなんだなぁと、あらためて感じた一日でした。
【Collaboration2007 vol.35より】~