「先生、ぼく、いぶきの利用者さんに侮辱されたんです!」
中部学院大学でのクリスマスコンサートをした翌週の授業でのことでした。授業が終わって帰ろうとすると、ある男子学生が寄ってくるなりそんなことを言い出しました。まわりでは、その友人たちが、笑っていました。本人も笑い半分なんですが、少し真剣なのも事実。よくよく聞いてみると、「背の高いおっきい人」が、ほかの生徒と話していて、彼から話を振られたので返事をしようとすると、すぐさま「お前は関係ねぇーっ!」と言われたとのこと。その学生いわく、「その人から(年令)いくつって聞かれて、(実際より上に」25歳って答えたのが気に障ったからあんなこといわれたんでしょうか・・・・」ともいっていました。あれから1週間、その学生はこれを北川にいわなきゃと思っていたのかもしれません。
正直なところ、それを聞いた時は大声で笑ってしまいましいた。もちろん「おっきい人」が誰かはいわずもがな。でも、それと同時に、こういう場面に対して、私たちはどういう行動をとっていくことが必要なのかも考えさせられることになります。
学生が、侮辱されたと感じたという事実。学生と彼との間で、「障害」を理由にした相互理解、つまり学生が、彼が障害ゆえに抱えている生きにくさに目を向け理解をするに至れば、それはそれでよし。でも、それと、私たちが彼に対して、時に人生の先輩として、人間として大切なことをつたえていうことをおろそかにしてはいけないんだなと、改めて思いました。 さらには、そういう面では、実は障害のあるなしは関係のないことで、仲間だろうが職員だろうが親さんだろうが、お互いが人間として尊重し合うための行動をもう一度、実行していくきっかけにしたいと思ったのでした。
ちなみに、学生の感想文に一番登場するのはどなただと思いますか?・・・・・織部さんです。愛情をもらったような気になるようです。人生の重みでしょうかね。
【Collaboration2007 vol.32より】