2022年3月29日。「ねこの約束」は12年、4376日の幕を閉じました。
納品に行くことをいつも楽しみにしていた仲間たち。
折にふれて、「駅にお店があってね…」とプチ自慢を重ねてくれていた職員や保護者のみなさん。
僕たち、よく頑張ったよね。
この小さなお店を、我がことのように大切に思い、誇りとし、希望としてくださった、全国の福祉関係やものづくりに携わるみなさん。
障害のある方や、いろいろな生きづらさを抱えてる方に思いをはせ、この街にともに暮らす仲間として一緒に考えてくださった地域の方々。
そして何より、ここを訪ね、言葉をかわし、ささやかな居場所としてくださったお客様。
本当にありがとうございました。
心から感謝申し上げます。
「ねこの約束」は、2010年4月6日にオープンしました。
あらためて振り返ると、端緒はその4年前、障害福祉の制度が激変した2006年に描いた1枚のスケッチにあります。
そこで私たちは、①仲間の所得保障②人づくり、つながりづくり③重度重複障害の人を支える実践とつながり④親なき後のこと という4つのテーマを掲げました。
未来のいぶきのためにこの10年でひとつずつ叶えるつもりでした。
実際にはどうだったでしょう。
・少しでも給料をあげたいと取り組んだ招き猫マドレーヌやかりんとうが、出店のきっかけとなりました。
・数えきれないほどの方々とこのお店があったから出会え、貴重なことをたくさん学ぶことができました。
・のちの岐阜県の医療的ケア推進につながる出会いも、生産性ではない仕事の価値を全国に発信した百々染も、そこから生まれました。
そしてもうひとつ。
・親なき後のひとつのモデルとして2011年に開所したパストラルいぶき。その入居予定者懇談会があったのは「ねこの約束」オープンから数日後のこと。
ともに語られることはありませんでしたが、「ねこの約束」とパストラルいぶきはいつも仲間を支える両輪でした。
この12年間、このお店を通じて得たエネルギーのおかげで、私たちは立ち止まらずに歩むことができたと思っています。