2016-0826 福島より帰りました

福島滞在3日目。
26日に郡山市内の作業所を2箇所訪問。27日の午後から始まった福島支部研修会の今日は2日目です。朝8時から研修開始。昼までとは言えこんなにぎっちり詰め込む研修は珍しい。充実した内容は、これからの世代を担う若い人たちへの期待。彼らに未来を託す立場の人たちの思いが痛いほど伝わってきます。
朝一番の8時からの枠で、今回のセミテキスト的にもなっているブックレット「ねことまるとコトコトと」を書いた3人、東京・千川福祉会の横川さん、私、福岡・まるの吉田さんの順でそれぞれ1時間余り、ブックレットに著した取り組みの内容をお話をしました。
客観的に見てもそれぞれだけでも研修会が成立するような話を、3本続けて聞くわけですから、参加者の負担には少し同情するところがあります。それほどもったいないくらいのの密度の濃さでした。
その次のセッションでは短い時間でしたが私が取りまとめ。現場への想いと共に、「言うこと」「伝えること」「語ること」の3つの違いからこの二日間の語り合いの場所の意味をもう一度振り返り、あわせて感謝の言葉を述べました。
「語ること」を軸にした3つの視点は、2月にお招きいただいた岐阜周産期こころの研究会の場で登壇するために、私自身が得た大きな気付きに基づいていること。そういう点ではいろいろな場で語ることで、私自身が成長していっているんだなあと改めて思います。
プログラムが終わるとともに、かつて南相馬の作業所・えんどう豆にいらした佐藤定広さんにもご挨拶ができました。佐藤さんからは夜に改めてメールをいただいたのですが、新しい事業所(相馬市・工房もくもく)を立ち上げたばかりで大変な中、「いぶきの取り組みとは共感するところが多く、考え方が似ている者同士ぜひこれから力合わせて取り組ましてほしい」とメッセージをいただきました。私も含めいろんな方が佐藤さんのお人柄に魅了されています。そんな方からいただくにはもったいない位の言葉。改めて恥ずかしくないような取り組みをできるようにしたいと思いました。

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研修が終わったのは13時前。そのまま猪苗代からいわき市に移動。社会福祉法人エルファドの自由空間の佐藤さんが帰られる車に同乗せていていただきました。高速バスや電車での移動を考えると大幅な時間と労力の短縮。それだけでもありがたいのですが、いわきの事情や、作業所運営のご苦労なども伺え、話が盛り上がる一時間半でした。
いわきを訪ねたのは、大学時代の同級生がいるため。特別支援学校の教員をずっと続ける彼女とは、3·11直後に一度会っていましたが、改めて話をするのは4年半ぶりのことです。彼女の車で、本当は見えたはずなのに、コンクリートの堤防しか見えなくなってしまった新舞子浜の白浜から塩屋崎灯台にいたる海沿いの道を走りながら、「前は寂しい時や元気を出したいときに眺めにいった浜なのに、あの日から怖くて見にいくことができないんだよね…」「あれだけたくさんの方が亡くなった海で、泳ぐことなんかできないよ…」その言葉の返す言葉がありませんでした。
それはそれとして、古い友達と会うのは肩の力が抜けるものです。遠回りになりましたが頑張って会いに行って良かったなと思いました。

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いわきからは特急スーパーひたちで一路東京へ。本来仙台が始発の特急が、いわきから出ているのも原発で一部区間が取れないままになっているがため。これもまた見えないけれども知れば知るほど悲しい現実です。
スーパーひたちは、学生時代土浦駅からいつも見送っていたあこがれの特急です。驚いたことに、かつては常磐線の終着駅は当然上野でしたが、今は東京や品川まで直通。しかも地上線。2時間半の時間も快適に過ごすことができました。
品川からのぞみに乗り継、岐阜に着いたのが夜の9時。いわきを出たのが4時過ぎでしたから5時間の長い列車旅になりました。

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本当ならそこでもう帰るところですが、岐阜駅でどうしてもお会いしたい方と会うことができました。ゆいまーる沖縄の鈴木さん。名古屋でメイドインジャパンプロジェクトの総会がありそのまま岐阜まで足を伸ばしてくださりました。
実は、8月半ばに、日本財団のNPOセミナーに私が登壇した時、そこで知り合った設樂剛事務所の松原さんと鈴木さんもつながっているがわかりました。その時のセミナーの演題でもあった、「第3カーブのマーケティング」について意見を交わしたいと思っていて、今回はなんとかお会いしたかった次第。相変わらずの穏やかな語り口に、少しほっとしながら、これからの私自身の学び方について少し考えるところができました。

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朝の8時からの登壇から始まり、夜11時までなんだかビッチリ詰め込んだ1日。さすがに疲れましたが、子供の寝顔に少しほっとしました。