成人を祝うことば
土本たかとさん
木下しんいちろうさん、
藤井たかゆきさん
大野よしひろさん、
成人おめでとうございます
それからご家族の皆さんにも心からお祝い申し上げます。
今日は第二いぶきにとって年に一度のとても大切な一日です。
はたちになって、大人の仲間入りをしたみなさんと
こうしてお祝いできることがとても嬉しく思います。
20年ってね
後から思えばあっという間だけど、本当にいろんなことがあるよね。
特にみなさんが生きてきたこの20年はね、
とても特別な20年だと言われています。
大野さんは10月生まれだからね。
その3ヶ月前
僕たちは国からいぶきを作っていいよと言われました。
そして木下さんや藤井さんは3月の後半生まれだね。
その1週間ぐらい後に、いぶきは始まりました。
いぶきの歩みはね、みなさんの生きてきた時間と同じだって言ってもいいぐらいです。
その少し前に神戸で大きな地震がありました。
日本中がとっても大きなショックを受けて
それでも、みんなで力を合わせて頑張ろうぜって言い続けてきた20年。
いぶきも夢と希望をもって歩んできた時間です。
第二いぶきはね
みなさんと出会えてよかったと心から思っています。
だからね。
あなたたちがね、ここで「私は生きているんだ」ってことを、
しっかり感じられるような場所でありたいと思っています。
それは、みなさんが自分らしくいられるということと同時に、
みんながね、
土本さんがいないと困るんだよなって思ったり、
藤井さんが、木下さんが、大野さんがいないと困るんだよ…って言われたりする。
逆にあなたたちもね、
私がいないとみんなが困るんだよねってしっかり思ってほしい。
そういう気持ちがどんどん大きくなるといいなと思っています。
僕たちが、あなたのことを「かけがえのない人」だと思っているということです。
だからね、
胸を張っていいんだよ、
自信をもっていいんだよ、
みんながあなたを認めています。
そして、これからあなたと一緒に頑張って生きていこうっていう人がこんなにたくさんいるんだよ。
それをきちんと伝えたいと思いました。
それからね、
これは、第二いぶきで成人をむかえた人みんなにお願いしていることがあります。
今日、みんなの姿を、胸をいっぱいにして見守ってくれているお父さんやお母さんがいます。
あなたが生まれてから20年間、あなたのことを誰よりも大切にしてきた人たちです。
これまであなたたちを大きく包んできてくれたよね。
これからは、あなたたちがしっかり見つめ返して、包み返してあげて欲しい。
人生はいろいろあるよ。
大変なこともいっぱいある。
きみたちの愛情が、みんなの希望になる。
もらった愛情を、何倍にして返してあげて欲しい。
それでもお母さんにはかなわないけどね。
その心のやりとりが、みんなを幸せにする。
そうやって、家族を守っていって欲しい。
もうひとつのお願い。
成人になった人にはね、
あなたはどうしたいんだって問いかける機会がたくさんあります。
日本という国から
あなたの住む街の人から
第二いぶきのみんなから
どうしたいと思う?って問いかけられることがどんどん増える。
選挙だったり、話し合いだったり…
一緒に考えていこうね。
あなたの思いを形にすることを、ぼくたちはちゃんと手伝っていくからね。
大人になったからといって、
なんでも自分ひとりでやらなければいけないなんて思わなくていい。
そんな人はひとりもいないから安心してください。
でも、せっかくの人生だから、夢をもってがんばっていこうよ。
第二いぶきはそういうところです。
僕たちは約束します。
あなたの人生を全力で応援する。
これからもどうぞよろしく。
最後に、お父さんお母さん、
これまで20年の時間を積み重ねてこられたことにあらためて心から敬意を表します。
そして、こうして成人をお祝いする機会をいただけることに感謝します。
私たちにできることはわずかなことかもしれません。
でも、ひとりの人として向き合い、
これからも全力でともに生きていきたいと思っています。
至らぬ点もあるかと思いますが、ここにいる一同の想いをあらためて受け止めていただければ幸いです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
長くなりました。
ステキな時間をどうもありがとう。
2015年1月24日
第二いぶきの職員を代表して
施設長 北川 雄史