いぶきにきて17回目の夏を過ごしている。
最初の1年半は名古屋から通っていたから岐阜の夏は15回目になる。
どちらにしても暑いことには変わりはない。
当時、いぶきには「親父の会」というのがあった。
すでにいぶきを利用している人、あるいはこれも今は存在していない「未入所の会」という特別支援学校在学中でいぶきを応援している人たちのお父ちゃん連中が集まって活動する会。
実際は、夏に日帰りキャンプを企画したり、時々飲んだり、いぶきまつりでイカ焼きの店を出店したり、それからまた飲んだり…。
その頃には、西柳ヶ瀬のはずれにいぶき御用達のちょっとした料理屋があって、集まるときはいつもそこだった。
そんな親父の会。
でも、ボクがいぶき福祉会で働こうと思った理由のひとつにはこの会の存在があった。
決して飲みたかったわけではない(笑)
ボクが施設運営面でいぶきがいいなと思った点は以下の4点。
1.理事長が弁護士であるということ。
2.利用者の父親が施設運営に協力しているということ。
3.創設者的な人がいてカリスマ的にふるまったりしていないこと。
4.実践紀要検討会を毎年開催していること。
これらは施設が社会的に成長し洗練されていくためにとても大切なことだと思っている。
だからもし、例え飲んでばかりだったとしても(笑)、親父の会がなかったら、ボクはいぶきには来なかったかもしれない。
ということは岐阜に来ることもなかっただろう。
そんな親父の会が復活する話になってきている。
復活ということは、今はなくなっていたということ。
だんだん中心になっていた方が、心身しんどくなってきて、いぶきそのものも大きくなってきて、「まあ、このへんで…」とフェイドアウトしてかれこれ10年ぐらいたつだろうか。
だからそれ以降に入ってきたスタッフや親さんたちは、親父の会なんて、そんなものがあったんだ…という感じ。
でも時は巡るもの。
昔から頑張ってくれていた世代のお父ちゃんたちが、一斉にリタイアの時期を迎え始めた。
要は、まだまだ老いぼれちゃいないし、やる気も経験もあるうえに、時間がたくさんできてきた。
これ、天の思し召しなり。
折しも、去年一年間かけて取り組んできた「これからの後援会を考える」活動の延長線で設定した今年の後援会総会。
ワールドカフェというスタイルを持ち込んで、あらためてお互いがつながる機会を作ってみた。
その中であるお父ちゃんから出てきた願ってもない一言が「今度は酒を飲みながらやりたい!」
ですよね…!
昨晩は準備会。
時間は24時間いくらでもあるんだから!と仕切ってくださる方もある。
ボクたち職員の負担になることはやらないと。
親父ならではの会話がある。親父ならではの思いがある。
親父の会があるっていいなあと思ってここに来た時は、まだボクは30前の若輩。
家族をしょってる親父の生き方を体感していたわけではない。
今は青臭いながらも人の子の親にもなり、見かけはますます親父っぽくなった。
鵜飼船の灯りが通り過ぎた後にあがった3発の打ち上げ花火。屋上のビアガーデンで夜風に吹かれながら、あらたな親父たちの集いの始まりを告げていた。
なんだかとっても力が湧いてきた。